はじめに —「Popular Music Method」とは

音楽理論をくじけずに学びたいすべての人にお勧めしたい本です。

 音楽について何かしらの知識を学ばなければいけないと感じている音楽家は多いと思います。それは壁にぶつかった時や、不安を抱えている時、目標と現在の状態にギャップを感じ「このままではいけない!」と、音楽理論に興味を持った人も少なくないでしょう。もちろん音楽理論を学ぶ事は、次の段階へステップアップする方法の一つである事は間違いありません。しかしながら学んでいる途中で挫折したり、学んだ知識が十分に生かされていない状況が数多く見られます。この現実から言える事は、学んだ内容を実用し、新しい発見や満足が得られなければ学習が継続できないという事です。

 音楽理論で学んだ事を実用できると良い、言う事は頭で分かっていても、現実に使う状況になると一筋縄でいかない事は多々あるでしょう。楽譜の読み書きが障害になる場合もあるでしょうし、専門的な音楽用語に混乱する場合もあります。また、何をどれぐらい学ばなければいけないのか、先の見えない学習を行うことも意欲の低下に繋がります。だとしても音楽的な悩みを解決する為に、先人達の考え方や音楽理論を学ぶ必要があります。それが「音楽理論や知識を実用する方法」すなわち「Popular Music Method」(一般音楽方法論)です。

 音楽における目標を達成するには基礎を学び、時に幅広い知識が必要となり、それを習得するには時間がかかる場合もあります。さらに演奏力や音楽の理解力の双方の向上が欠かせませんが、必要な知識の種類や量は人それぞれ違ってきます。この本「Popular Music Method」には楽譜の読み書きなどの基礎から始まり、クラシックやジャズなどの実用できる理論の学習を目的としています。

 本書には日本語と英語の用語が記載され、両方の索引があります。これによって将来的にさらに専門的なクラシックやジャズの理論を学ぶための助けとなるでしょう。また日本語や外国語の用語を理解することで、ロックやクラシック、ジャズなどの異なる音楽スタイルを背景に持つ人たちや、世界中の音楽家とコミュニケーションを取る事も可能になります。

 学習方法としては、基本的に第1章から順番に進められるように体系付けられ、序章は読み飛ばしても構いません。また次の学習フローで、自身に必要と感じた章だけを学習しても良いでしょう。ただしひとつお願いがあります。学んだ知識や手法は必ず音に出し、聴いてください。学んだ知識は音に出して初めて、自身の一部となるのです。

 理論的に作られた音楽が、必ずしも良い音楽とは限りません。そして実際の音とイメージした音に違いを感じるからこそ、理想の音楽を追い求めるのです。様々な手法を試行錯誤して理想の音楽が形となった時、初めて自分が求めていたコードの響きやリズム、メロディなどの音楽的な意図は何だったのか理解する事ができるでしょう。「Popular Music Method」が音楽的な不安や悩みを取り除き、理想とした音楽を表現する事を、そして充実した音楽生活に貢献できることを切に祈っています。

学習内容別フロー

あなたの目標に合わせて、必要と感じた章だけを学習できます。

ぜひ、手に取って読んでみてください。

♪こんな人にお勧めです。

  • 音楽理論に興味があるが何から手をつけて良いかわからない。
  • 過去に音楽理論を学んだが途中でやめてしまった。
  • 学んだ知識をうまく実用できない。
  • 作曲、編曲に興味がある。
  • 楽譜を読んで好きな曲を演奏したい。
  • 現在の能力に限界を感じたり、不安を抱えている。
  • クラシックやジャズを専門的に学びたい方の入門書として。
  • ジャムセッションをやりたい。
  • ジャンルに捉われず、幅広い音楽の知識を知りたい。
  • 実用できる理論や、その実用方法を知りたい。
  • 音楽について勉強する事が好き。

♪こんな悩みを解決します。

  • 楽譜の読み書きができない。(五線譜、タブ譜、ドラム譜)
  • コードの構造が分からない。
  • コード進行が分からない。
  • コードに合ったメロディが作れない。
  • メロディに合ったコードを分からない。
  • 作曲、編曲の方法が分からない。
  • 即興演奏ができない。
  • 演奏が上手にできない。
  • オリジナル曲の断片的なアイデアはあるが曲に発展させる事が出来ない。

♪「Popular Music Method」の特徴

  • 日本語だけではなく英語の音楽用語が併記されている。また日本語と英語の索引があり、将来クラシックやジャズを本格的に学ぶ時に抵抗無く専門書が読める。
  • 理論の実用方法が説明され、クラシックやジャズ、ロック、ポップスなど様々なスタイルの音楽に応用できる。
  • Exerciseの解答やワークブックがWebで確認できる。

著者より、読者の皆さんへのメッセージ

知りたいと感じ、必要と感じた事を正しく理解する事が、優れた音楽家への一歩です。

 音楽理論の学習や楽譜の読み書きを苦手に感じたり、拒絶反応を起こしてしまう人は少なくありません。楽器を演奏している人の多くが「自分が好きな音楽を思った通り弾きたい」と感じていますから、楽器ではなくペンを持ち、ステージには立たず机に向かう地味な学習は、まさに理想とは真逆の姿でしょう。また理論的な知識など無くても、パソコンで手軽に音楽制作ができますから、音楽の学習の必要性を感じない事も当然と言えます。

 しかし音楽を続けていると「この音楽はどのように作られているのか?」「どのように演奏しているのか?」「何の音が鳴っているのか?」など、様々な疑問を感じる瞬間があるでしょう。それらの答えは聴いている音楽の中にあるのですが、簡単に答えが見つけられないもどかしさは多くの人が感じた事があると思います。音楽史に名を残す偉大な先人達が考え出した技法であれば、簡単に理解できないのもやむを得ないでしょう。また様々に加工したり、重ねられた音を聞き取る能力も簡単には身につきません。

 それでも、様々な音楽的技法や知識を短期間で自分の物にする事は、あなたの目標へ最短距離でたどり着くための最善の策と言えます。もちろん世界中の音楽の全てを理解する事は無理です。知りたいと感じ、必要と感じた事を正しく理解する事が、優れた音楽家への一歩となるのです。

 「Popular Music Method」は、これまで多くの若い音楽家を指導してきた中で、彼らからの質問や問題点を解決する最適な方法を模索する事から製作が始まりました。多くの質問や問題の解決方法をまとめるため、およそ10年もの歳月が掛かってしまいましたが、音楽に没頭し真剣な眼差しをした若い音楽家の力になりたい、との思いを込めてようやく完成に至りました。音楽史における知の遺産のわずか一部ではありますが、未来の音楽への橋渡しになれる事を切に願っております。

 カウントが始まる。指揮者がタクトを振り上げる。つまりそれは音楽が始まる前から始まっている事を意味しています。音楽と向き合い、探究心を持った瞬間からあなたの音楽生活はより豊かなものになるでしょう。

著者 Onodera Hirohito

認定テキスト

「Popular Music Method」は次の学校、教室で認定テキストとして使用されています。

北海道
江別ギタースクール
ebetsu-guitar-school.jimdo.com
東京都
東京ジャズ音楽教室
www.tijazz.com
東京音楽芸術学園 高等部
tokyo-music-arts.jp

協力・謝辞

協力(敬称略)
阿部一仁
KENTA
(YUKIGUNI・Ebetsu Guitar School)
齋藤正隆
(crew studio)
Shingo Umeda
水野真和
(東京ジャズ音楽教室講師・元ニューヨーク大学音楽学部講師・米国作曲家作詞家協会(ASCAP)会員・株式会社instinct sounds代表取締役兼CEO)
ロゴデザイン
西尾福彦
謝辞
増山俊一郎氏
Mr. Carl Schroeder

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