作曲やアレンジで使える、半音上への転調のやり方とは?すぐに使える三つの手法。
半音上へ転調する効果
作曲やアレンジの技法の一つに「転調」があります。
一般的な曲を作っていて、多く思い浮かぶのが「半音上」への転調ではないでしょうか。
実は、半音上への転調を音楽理論で説明すると非常に複雑になってしまいます。
実際のところ、半音上への転調は理論的な手法と言うよりも、音響的な効果を目的としている場合がほとんどでしょう。
感じ方や表現の仕方は人それぞれですが、半音上に転調した瞬間、聴いている人は「緊張感が増す」もしくは「ふわっと浮かび上がるような感覚」などを感じるのではないでしょうか。
これは半音上へ転調することによって、音の響きが高くなり、それまでとは違う感覚が生じている事が原因でしょう。
複雑な説明は別の機会で行うとして、ここではシンプルなコード進行を例に、すぐに使える三つのパターンを説明していきます。
半音上の調とは
C Major(ハ長調)に対して、その半音上の調はDb Major(変ニ長調)です。
C Majorは♯や♭が無いのに対し、Db Majorはいきなり♭が五つも付いてしまいます。(もしC♯ Majorにすると、♯が七つも付いてしまいます)
楽器が不慣れな方は演奏するのがひと苦労だと思いますが、まずは次の楽譜を再生して、コードの響きを聴き比べてみましょう。
では早速、具体的なコード進行と転調の例を見てみましょう。
半音上の転調 コード進行①
「C」のコードから半音上の「D♭」へ直接転調する方法です。
基本のコード進行はシンプルな「Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ」ですので、自身で演奏して、その響きを確認してみましょう。
半音上の転調 コード進行②-1
次はⅤコードをきっかけに転調するパターンです。まず一度、聴いてみてください。
8小節目「G#」のコードは、11小節目「A♭」のコードと同じ構成音です。
「G#→D♭」のコード進行は表記方法が違うものの、その構成音は「A♭→D♭」と全く同じです。
そのため「G#→D♭」は「D♭ Major(変ニ長調)」の「Ⅴ→Ⅰ」と同じ動きをします。
つまり「G#」のコードは、転調する「D♭ Major(変ニ長調)」を暗示する役割を持っています。
半音上の転調 コード進行②-2
音楽理論を少しでも学んだ方であれば、「Ⅴ7」が使えるか気になるでしょう。
もちろん使用可能ですし、むしろ響きが豊かになると思います。
次は「Ⅴ7」を使い、多少コードを転回させた例です。
半音上の転調 コード進行③
次は②のバリエーションと言えるかもしれません。
7小節目から「G→C」と進んで、一度終止させてから「G#」へ進んでいます。
その響きに違和感はありませんし、「G#」を「G#7」に変えても構いません。
まとめ
以上、半音上への転調の方法、三つのパターンを紹介しました。
ポイントは次の二つです。
・「Ⅰコード」から直接、半音上の「Ⅰコード」へ転調。
・「Ⅴコード」もしくは「Ⅴ7コード」をきっかけに転調。
今回のコードは「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ(Ⅴ7)」の主要な三つに絞っていますが、他のコードへ置き換える事によって、より豊かな響きが得られるでしょう。
是非、あなたのイメージしたコード進行で試してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
©️GEOPHONIC
実際には、こんな使われ方もあるんですね。
気分転換にどうぞ♪